ドイツにおける海外投資及び事業展開

一般的には、ドイツにおける海外投資は如何なる制約又は行政コントロールに従うことを条件としません。外国投資家は、ドイツ人投資家と同じように取り扱われます。

しかしながら、事業運営を効率的且つ合法的に遂行する為には、海外投資家はドイツ法に基づく一定の規則を認識するべきです。私達はその中でも最も重要なものを下に概括いたします。

反トラスト規制

ドイツ連邦カルテル局(Bundeskartellamt)は独占的地位の成立を監視いたします。対象当事者の個別又は合せた売り上げが競争制限禁止法(GWB)に規定される枠を超える場合、合併及び吸収はドイツ連邦カルテル局への申請の対象です。基本的に、対象当事者の全世界での売り上げが5億ユーロを超えず、そして、何れの対象当事者もドイツ国内での売り上げが2500万ユーロを越えない場合、ドイツ連邦カルテル局への申請の必要はございません。前記の申請への返答は、通常4ヶ月以内に出されます。必要とされる申請をファイルしないこと及び必要とされる許可を取得しないことは、完了した合併及び吸収を無効とします。更に、100万ユーロに以下の課徴金が課され得ます。

事業登録

事業運営の開始の前に、企業は管轄の事業担当局(Gewerbeamt)にて事業登録を完了し、そして、事業資格(Gewerbeschein)を取得しなくてはなりません。税制の為、企業は又管轄の税務担当局(Finanzamt)に彼らの事業運営について告知し、そして、税番号(tax number)を取得することが必要とされます。前記を遵守しないことは課徴金(通常は約1000ユーロ)が課されます。銀行、保険、ヘルスケア等の様な一定の事業につきましては、特別な資格及び政府の許可が必要になり、そして、海外投資は制限の対象になり得ます。

会社法

ドイツ法令は異なる設立必要条件及び責任の様々な企業形態を提供します。海外投資家は、自身の企図する事業運営に従って、企業形態を慎重に決定することが必要です。最も多い場合として、海外投資家は、代理事務所、支社又は有限会社(GmbH)の形態をとります。詳細情報につきましては、私達のドイツ法に基づく企業形態およびドイツ企業の設立/解散をご参照下さい。

EU 規則

一EU加盟国として、数多くのEU規則及び指令が直接的又は間接的に時折ドイツ法に影響を与えます。反トラスト、労働、製品表示、知的財産権等の分野のこれらの規則又は指令は外国投資に関連が有り得ます。

破産及び債権回収

2004年、約4万のドイツ企業が破産申請を申し立てました。これは外国債権者にとって比較的高いリスクであるようです。私達の経験が示すのは、ドイツ破産手続きを知らないことにより、多くの海外債権者、特にヨーロッパ以外からの債権者は、破産財産を要求する分配手続きに適時及び適切に参加できなかったことです。慎重に用意された契約(例:所有権留置の使用)及び早期の債権回収作業はその様な破産リスクを低減することの助けになります。

住居/就労許可及労働法

通常、EU以外の国民はドイツにおいて滞在及び就労許可を取得する必要があります。海外投資家が地元の被雇用者を雇用するかわりに自国から被雇用者を派遣したい場合、それは海外投資家にとって往々にして大きな障壁です。加えて、多くのEU以外の国に比べると、ドイツの労働法はドイツにおいて働く被雇用者に対して比較的強い保護を与えます。雇用のフレキシビリティー及び関連費用のコントロールを確保する為、前もって適切な雇用計画を構築することが求められます。労働問題に関する更なる情報は、私達のドイツ労働法の紹介の項において見つけることが出来ます。

E-mail: mail@germanlawfirm.eu